くすの木 6月号
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〜唐津・東松浦エリアくみかつスタッフおすすめ〜創業67年、親子3代に受け継がれる酪農業 酪農をはじめたのは主人(3代目・現社長)の祖父で、今から67年も前のことです。最初は乳牛も1頭だけでしたが、世代交代のたびに経営を拡大し、現在は160頭以上を飼養しています。酪農といえば朝晩の搾乳に加え、日々の管理や牛の出産、飼料づくりなど仕事はまさに365日体制。私が嫁いだのは30年ほど前で、当時は佐賀県内にも180戸程度の酪農家がいましたが、とりまく環境の厳しさから今は26戸にまで減少しています。 創業時から変わらず大切にしているのは、品質の高い美味しい牛乳を生産すること。うちは九州でもトップレベルの乳質を維持している酪農家であり、常に品質の高さを求められます。そのためにこだわっているのが飼料で、近年は原料も高騰していますが、牛の健康を左右する飼料の質を落とさないことが酪農家としてのプライドだと思っています。自家製ミルクと地元産の素材をふんだんに アイスの製造は義父と義母が10年前にスタート。牧場経営を主人に引き継いだことをきっかけに、それ以外のことに没頭できるようにと敷地内に工房を建てて、イタリア製のジェラートマシンを導入しました。搾りたての新鮮な牛乳を活かすならチーズやバターという選択肢もありましたが、大切な牛乳を余すことなく利用でき、アイスクリームに合う地元産の素材が豊富だったことも決め手になりました。 種類は人気ナンバー1のミルクをはじめ、チョコやいちご、ヨーグルトなど10種類で、その他に厳選素材を使ったプレミアムシリーズが3種類。素材には玄海町産のいちごやみかん、熟成させることで甘味が増す唐ゆたか(サツマイモ)、嬉野抹茶など、できる限り県内産を使用。有田町産の金柑は手作業で種をとりのぞき、サツマイモはホクホク感を出すために焼いてつぶすなど、手間暇かけて手作りしています。ちなみに、“ミリーズ”という商品名は、義父母が1982~1990年に育てた牛のミリーから名付けたもの。ミリーは美牛コンテストで何度も優勝するほど自慢の乳牛だったそうで、お客様のもとに美味しいジェラートを届けたいという思いが込められています。この美味しさをたくさんの人に知ってほしい 一番の特徴は、まろやかなコクがあるのに口当たりがさっぱりしていること。牛乳が美味しいからこそ、美味しいアイスが作れると自負しています。オンラインや一部の百貨店などを通して、全国各地で販売していますがファミリーパックやプレミアムを含め全種類購入できるのは工房内の直売所のみです。 生協には、「コープのギフトカタログ」に9個セットを掲載していただいてます。実は、生協とお取引をするにあたり、HACCP(ハサップ)認証を受けました。小規模事業者にはハードルが高いものでしたが、食品の安全性をより高めるために取り組みました。生協ではギフトシーズンの注文に限られているので、ぜひ通常のカタログにも掲載していただきたいし、店舗でも販売してもらえたら嬉しいです。それが私たちの夢ともいえます。安全・安心で美味しい牛乳をまじめに作ってきたからこそ、その牛乳で作るアイスをたくさんの人に食べていただきたいです。〈インタビュー:唐津・東松浦エリアくみかつスタッフ/文責:福地〉2松本アイス工房 代表 松本裕子さん1958年創業の松本牧場(玄海町)。酪農業を営みながら、2代目の松本忠久さんが2015年にジェラートの製造販売を開始。現在は、息子の浩文さんが3代目として牧場経営を引き継ぎ、妻の裕子さんが「松本アイス工房」の代表を務める。松本アイス工房(松本牧場内)■佐賀県東松浦郡玄海町平尾2-6●TEL:0955-52-3103※アイスの直売は9:00~16:00松本アイス工房新鮮な搾りたてミルクで作るこだわりアイス新鮮な搾りたてミルクで作るこだわりアイス

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