くすの木 7月号
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マックス 日本では毎年約3000頭の競走馬が引退し、最終的には殺処分されるという現実があります。大好きだからこそ、行き場所のない馬たちの居場所を作ろうと、2008年に故郷の江北町に「CLUB RIO」をオープンしました。ここは、かつて養鶏場だった場所で、豊かな自然に包まれた水辺のある風景が気に入っています。今は、引退馬のマックス(26歳)とホーリー2一般社団法人 CLUB RIO 代表理事 永松 良太さん杵島郡江北町出身。馬の走る姿に魅せられて、高校卒業後に競走馬の仕事に従事。19歳の時、研修先のアイルランドで、馬と人が共生する暮らしに触れて感銘を受ける。2008年、江北町に「CLUB RIO」を設立。馬と人が共生できる居場所づくりに奮闘中。(9歳)、ポニーのジュジュ(15歳)が仲良く暮らしています。町の子どもたちには、地域の伝統文化のことをもっと知ってほしいし、次世代にも残したい。その想いもあって、流鏑馬のことや復活までの道のりを、1冊の絵本にまとめて昨年出版しました。資金はクラウドファンディングを利用して集め、目標金額を達成することができました。絵本は江北町のふるさと納税の返礼品にもなっていて、たくさんの人たちの応援が私たちの活動の支えになっています。てんししゃご縁があった馬だけでも、それぞれに役割を見つけ、地域のなかで共生できる居場所を作ってあげたいと思っています。そのためには、たくさんの人たちの理解と協力が必要です。ホースセラピーという言葉どおり、馬には癒しのエネルギーがあります。馬たちと触れ合いながら、一緒に活動してみませんか。ジュジュとホーリー■馬のお世話や、馬小屋掃除、引き馬などにご協力いただくボランティアや、「RIOサポーター」を募集しています。詳しくは、直接お電話でお問い合わせください。連絡先:080-4140-1803 (永松)〜中部エリアくみかつスタッフおすすめ〜〈インタビュー:楽満/文責:福地〉競走馬のセカンドライフをサポート 私が馬に興味を持ったのは、中学生のときに遊んでいた馬を育てるテレビゲームがきっかけです。どうしても本物の馬が見たくて、中学3年生のときに父親に佐賀競馬場へ連れていってもらい、目の前を躍動感いっぱいに走る馬の姿に魅せられました。本当は騎手になりたかったんですが、残念ながら体格が基準にあわず、競馬場で馬を育成する裏方の仕事に就きました。 19歳の時には、競走馬の育成の本場がヨーロッパということで、3カ月ほどアイルランドに研修へ。現地では、子どもの誕生日にポニーをプレゼントするなど、人々の暮らしの中に馬が溶け込んでいて驚きました。この時の経験が、人と馬との共存の在り方を考えるきっかけにもなりました。馬とのつながりで地域文化を復活 馬の寿命は25年程度で、競走馬は6歳前後で引退するため、セカンドライフがはるかに長いといえます。だからこそ、馬とふれあう出張乗馬体験を行うなど、地域活動のなかに馬とのつながりを生み出したいと思いました。 そんな取り組みの一つが流鏑馬です。私は流鏑馬神事の射手としても活動しており、2014年には144年間途絶えていた江北町の天子社流鏑馬を地元の人たちと一緒に復活しました。実は、天子社は私の氏神様でしたが、かつて流鏑馬が行われていたことを知りませんでした。江北一緒に活動する仲間を募集中 今年4月からは、現役の競走馬が疲れを癒せるように、オフシーズンに競走馬を預かる新事業をスタートさせました。その馬たちが将来引退したとき、ここに戻ってこられるように持続可能な支援を続けていきたいです。 引退馬の数からすれば、私たちが救えているのは微々たるものです。だからこそ、馬と人が共生できる未来のために馬と人が共生できる未来のために

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