くすの木1月号
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桑原 : 生協は組合員さんの組織ではありますが、生協が実現したいことや組合員さんの想いを実現するには、地域とのつながりが大切です。昨年までにすべての市町と協定を結び、宅配を通して高齢者の見守り活動を行うなど、見える形でのつながりが増えました。また、武雄市で被災地をつなぐイベントに参加したときは、「ローリングストック」(非常食にもなる食品を普段から取り入れ、災害時に備えて少し多めに備蓄すること)についてパネルを展示しました。興味をもたれる方が多くおられて、安心できる日々の暮らし方を提案するのも生協の役割なのだと改めて実感しました。福井 : 新型コロナウイルス感染拡大による巣ごもり需要で、昨年の3~4月は新規加入者が一気に増加しました。想定以上の注文数で業務が追い付かず、配達ができない商品が発生するなどご迷惑をおかけしました。さらに近年は、配達に支障をきたすほどの自然災害が増えてきたこともあり、不測の事態にも対応できる物流システムに改善していきたいと考えています。福井 : コロナ禍だから集まれない、交流できないではなく、2021年は新しい方法でつながっていくことが必要だと思います。組合員活動を支えてくれる人材を、次の世代につなげていくのも課題の一つといえるでしょう。新築移転する第2支所は、今年の年末か来年1月に完成予定です。その後、佐賀市開成の本部は、組合員活動の施設を備えた建物に改装を予定しています。さまざまな形で地域とつながることで、「生協が自分たちの助けになっているんだ」と実感してもらえるような事業と組織づくりを目指していきます。桑原 : 地域で頑張る人を応援する 「えんJOYねっと」への登録も徐々に増えてきて、地域とつながることで生協のこれからの課題が見えて来ています。さまざまな地域活動のなかに生協の存在を感じられるようになれば、組合員さんの安心感や生協で働く人の誇りや満足感につながっていくはずです。本来生協は、「家族に安全安心なものを食べさせたい」という方々の想いとともに“口コミ”で広がってきた組織です。今年は、今の時代ならではの“口コミ”ともいえる、FacebookやInstagramなどSNSを積極的に活用して情報を発信して行きながら、生協の活動をしっかりアピールし、幅広い方々に理解を深めてもらえるよう取り組んでいきます。2会長 桑原 廣子理事長 福井 健一〈インタビュー:池上/文責:福地〉2020年を振り返って福井 : 2021年はコープさが生協の前身、佐賀市民生活協同組合の設立から50年を迎えるため、昨年10月に記念企画検討委員会を立ち上げ準備を進めてきました。節目にふさわしい企画を検討するなか、スローガンに掲げたのは「ささえられて50年。つながる力で笑顔の未来へ」。これまで支えてくださった組合員さんに感謝する事はもちろん、佐賀県の皆さんにコープさが生協が50周年を迎えたこと、次の100年に向けて成長していくことを知らせていきたいと思っています。2021年に向けて桑原 : 昨年4月から、「くみかつスタッフ」による新しい組合員活動がスタートしましたが、新型コロナウイルスの影響で思ったように活動ができていません。ただ、ある講演会で「困難な事態に陥った時にこそヒントがある」というお話を聞き、その通りだと思いました。例えば、オンラインイベントが増えたことで、これまで会場に来られなかった方が参加できるなど新型コロナウイルスによって気づかされたことがたくさんあります。新しい生活様式と共に、みなさんの考え方も変わってきているので、アイデア次第で新しい時代の組合員活動ができるのではないかと期待しています。新春トップ対談新春トップ対談 困難な時代だからこそ 困難な時代だからこそ “つながり”を広げたい “つながり”を広げたい

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