くすの木9月号
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ヤマドリタケモドキ…クヌギなどブナの仲間と共生する。ポルチーニ茸の仲間チチアワタケ…クロマツなどマツの仲間と共生する。傘の裏は網目状コキララタケ…広葉樹の枯れ木にたつ。傘の裏はひだ状ベニヒダタケ…広葉樹の枯れ木にたつ。傘の裏はひだ状2 「佐賀きのこ会」の会長は私が務めていますが、佐賀植物友の会会長としてご尽力された故貞松光男先生と二人で設立発起人になり発足しました。貞松先生はきのこに詳しく、私も林業試験場できのこの栽培研究に携わっていました。試験場はすでに定年退職していますが、現役の頃は「このきのこは食べられますか?」など、きのこに関する問い合わせがたくさん寄せられていました。また、会を立ち上げる前から、貞松先生や植物友の会の皆さんと県内のきのこを調べて回り、芋煮会と称し参加者の皆さんときのこを食べることも楽しんでいました。 きのこに関心を持つ方が多いなか、当時、佐賀県にはきのこ同好会がありませんでした。九州では福岡、長崎、熊本、大分、鹿児島に同好会があり活動も盛んだったことから、佐賀でも多くの方々にきのこに親しんでもらおうと「佐賀きのこ会」を設立しました。会の運営は私が病気により身体が不自由のため、副会長以下幹事さん達にお骨折りを頂いています。の名前を一つひとつ確認していきます。きのこは学名や和名が付けられているのが約3,000種あり、名前がないのはその2~3倍とも言われています。つまり、分からないことがまだまだたくさんある、奥深い未知の世界なのです。 ちなみに、同定会で名前が分からなかった場合は、顧問をお願いしている分類の専門の先生に現物や発生場所のデータ・写真を送り判定してもらっています。その結果、現在佐賀県では名前が分かっているきのこだけで約630種が確認されています。  ↑会長の蒲原邦行さん←︎会員集合写真(2019.3.9)かなタマゴタケは、毒きのこで知られるテングタケの仲間ですが、とても美味しく食べられます。その逆で、以前は食用きのことして食べられていたスギヒラタケが今は毒きのこに指定されています。有毒成分が含まれ、腎臓に疾患がある方が食べると急性脳症を引き起こす可能性があると判明したからです。まさに知れば知るほど面白いのがきのこの世界です。 きのこは野山だけでなく、身近な公園にも生えていますが、温度や湿度などの環境とタイミングが整った時にしか見ることができません。地域や季節によって種類もさまざまで、まさに一期一会の出会いといえるでしょう。佐賀きのこ会年報「佐賀きのこ会」会長 蒲原 邦行さん2009年、きのこ愛好者24名により「佐賀きのこ会」を設立。きのこに関連する知識向上と会員同士の親睦を深めるため、年4回、県内各地で野外観察会を実施し、年に1回年報を発行。現在の会員数は36名で、今年3月にはコープさが新栄店で写真展を開催。きのこは奥深い未知の世界 会の活動として、年4回野外観察会を行っていて、そのうち1回はきのこを食する会を同時開催しています。今年は7月に2回観察会を実施し、9月と10月にも予定しています。観察会の場所は県内各地の野山や公園で、参加者はきのこを探して実際に生えている姿を観察。発見したきのこを少量ずつ採取し、最後に同定会を行います。同定とは、生物の分類上の所属や種名を決定することで、採取したきのこ知れば知るほど面白い 今年3月には、コープさが新栄店で写真展を開催させていただき大変好評でした。色や形がユニークなきのこに驚かれた方も多く、写真を通じてきのこの美しさや魅力、自然の不思議さや大切さを伝えることができたのではないでしょうか。そもそもきのこは「地球の掃除屋」とも呼ばれ、動物の排泄物や死骸、木材・落ち葉などを分解して土に還す役割を持ち、地球環境に欠かせない存在です。また、「真っ赤なきのこは毒きのこ」という印象ですが、必ずしもそうではありません。色鮮や第3回観察会●日程:9月22日(日)●場所:佐賀市富士町の北山キャンプ場※きのこを食する会は参加費500円 当日は、珍しいきのこを取り寄せて、きのこを食する会も同時開催します。ご興味がある方はぜひ参加してみてください。参加方法などの詳しい情報は、ホームページでご確認ください。佐賀きのこ会https://sagakinoko.wordpress.com/佐賀のきのこに親しんでもらいたいきのことの出会いは一期一会

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