くすの木 6月号
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2 特定非営利活動法人さが市民活動サポートセンター「佐賀こども食堂」 代表 宮﨑知幸さんでいた唐津市の食堂に話を聞きに行きました。聞けば聞くほど、佐賀市内にも必要だと思い、2016年6月に佐賀こども食堂をスタートしました。ただ単に“食べること”を目的にするのではなく、こども食堂を通じて地域とのつながりを広げていきたいという思いもありました。 食事は17時過ぎからですが、15時30分から受付をして、食事の時間までは地域の方々との交流や体験の時間にしています。たとえば、絵本の読み聞かせをしたり、大学生が工作体験をしてくれたり、夏はそうめん流しをするなど、その時々にいろんな体験をしています。もちろん食事の前には、季節の野菜の話やお箸の持ち方、食器を置く位置など食育の話もしています。ちです。食材を見て、即座にメニューを思いつくのは、やはり何十年という料理経験があってこそ。若いお母さんたちが、食事の後に作り方を聞いたり、先輩お母さんに子育ての相談をしたりすることもあります。やっぱり、一緒に同じ食事を食べるということで、子どもも大人も心が自然に開くんだと思います。 この3年間、試行錯誤しながら、たくさんの方々のサポートのおかげでここまでやってきました。これから先も長く続けられるように、いい意味で力を抜いて、参加者のニーズに合わせて形を変えながらやっていきたいと思います。みんなと一緒にご飯を食べたい方、ボランティアとして手伝いたい方、どなたでも気軽に遊びに来てくださいね。みやざき ち ゆき「佐賀こども食堂」代表 宮﨑 知幸さん1982年生まれ。佐賀市内の病院で管理栄養士として勤務。食育に関心を持ち、2015年コミュニティカフェ「TOJIN茶屋」の店長に就任。2016年6月から月に1回、「佐賀こども食堂」を運営。開店は毎月1回、食育の日(19日) 佐賀こども食堂は、毎月19日、佐賀市唐人の「コミュニティカフェ TOJIN茶屋」の2階で開いています。こども食堂といえば、「貧困家庭や孤食の子どもに食事を提供する場所」というイメージを持たれる方が多いかもしれませんが、そうではなく地域の食堂だと思ってください。実際、子どもたちだけでなく、大学生や留学生などの学生さん、上は90歳代の大人まで、いろんな方たちがご利用されています。 もちろん本当に来てもらいたいのは、いつも一人で食事をしているような子どもや、親からの愛情が少ない心の貧困が心配される子どもたちです。ただ、こども食堂=貧困家庭というイメージが強いと、周りからそんな目で見られたくないからと、本当に来てほしい家庭の子どもたちは来てくれません。そのため、全ての子ども達の居場所であり、地域のコミュニティの開かれた場所であるというのが、今のこども食堂の考え方です。病院勤務時代に          食育の大切さを実感 以前は病院で管理栄養士の仕事をしていました。患者のみなさんに食事の指導をしていたんですが、せっかく退院しても食習慣が原因で再び入院される方が意外に多く、調べてみると子どもの頃の食習慣が影響していました。子どもへの食育がいかに大事かを実感し、病院ではなく、もっと子どもたちの身近で食育に関わる仕事がしたいと思い転職。飲食の仕事をするなかで、こども食堂が全国で広まっていることを知り、県内ですでに取り組んたくさんの人たちの          サポートに感謝 食堂の運営は、基本的に募金と食材の提供で成り立っています。お米は県からJAの米をいただき、精肉店や企業、レストランや個人の方などから肉や季節の野菜を提供していただいています。もちろん、どんな食材が集まるか当日になってみないと分かりませんし、調味料など足りない材料については購入します。食事は一汁三菜が基本で、作るのはボランティアのお母さんた佐賀こども食堂●毎月1回(19日=食育の日) 15:00~19:00 (食事時間17:00~18:00)●無料 ■佐賀市唐人2-5-12 TOJIN茶屋 Tel.0952-20-2063こども食堂を通じて広がる地域とのつながり

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