くすの木 10月号
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6月の通常総代会では、私もご挨拶をさせてもらい、組合員の皆さんに『さがっこ充填とうふ』を試食していただきました。恐る恐る「豆腐はいかがでしたか?」とお聞きしたら、たくさんの拍手でこたえていただいたので、本当に嬉しかったです。〈インタビュー:楽満/文責:福地〉2▲平川食品工業社屋▲  さがっこ充填とうふ〈10月毎週企画〉〈いつも君登録〉              平川 大計さん 1971年生まれ。2000年に旧運輸省(現国土交通省)を退職し、家業である(有)平川食品工業の取締役営業部長に就任。2006年には3代目代表取締役就任。2018年、コープさがのこだわり加工品『さがっこ充填とうふ』の製造者に決定。佐賀市在住。有限会社平川食品工業代表取締役ひらかわ ひろかず三代に渡って          受け継がれた豆腐作り 今年3月から組合員の皆さんと検討をはじめ、いよいよ10月から『さがっこ充填とうふ』の販売が始まります。我が社の創業は戦後間もない昭和25年で、祖父が親戚から豆腐作りを教わって店を開いたのが始まりです。子どもの頃は、家の中に作業場があり、両親や手伝いに来てくれる近所の方々が、夜も明けないうちから豆腐を作っていました。早朝の清々しい空気の中に立ち込める、大豆を炊くときの甘い香りは、今でも鮮明に覚えています。 70年近くにわたって豆腐を作り続け、業務拡張のたび工場移転や増設を繰り返してきましたが、価格競争に巻き込まれ厳しい時代もありました。それは、私が前職を辞めて会社に入った頃で、危機的な経営の立て直しが必要でした。戦略としては、コストを下げるか差別化を図るか、どちらかしかありません。コストを下げるには多額の設備投資が必要なので、差別化するしかないと思い、佐賀という地域性を上手く生かしていこうと思いました。 そもそも、豆腐文化といえば京都をイメージする方も多いかもしれませんが、佐賀県は全国でも有数の大豆の産地で、温泉湯豆腐やざる豆腐、ごどうふなど、地域色の強い豆腐が揃う土地柄でもあります。だからこそ、地域のものをどんどん使おうと、ほとんどの製品に佐賀県産大豆フクユタカを使用し、大豆本来の甘味や風味を引き出す豆腐作りに取り組んできました。組合員の皆さんの     熱い想いを真摯に受け止めて 今回、コープさがさんと一緒に豆腐作りをするにあたり、いくつかの要件を提示されましたが、我が社が目指す方向性とかなり合致していました。要件とは、佐賀県産大豆100%であることや、にがりを100%使用すること、大豆の生産者との交流が可能なことなど。実は現在、我が社は九州外への販売が半数以上を占めており、もっと地元に目を向けていきたい、お客様や大豆の生産者の方たちとの交流を深めていきたいと思っていました。本当に不思議なくらい、これから考えていた方向性と同じだったので、お話しをいただいて素直に嬉しかったし、自然な形でお受けすることができました。 豆腐作りを進めるにあたり、一番印象深かったのは、組合員の皆さんの柏戸商店さんに対する想いです。最初の会議で、前製造者だった柏戸商店さんとの思い出を皆さんが話され、メーカーに対してここまで思い入れが強いことに正直驚かされました。それと同時に、組合員さんの「私たちがメーカーをバックアップするんだ!」という気持ちがひしひしと伝わってきたので、その想いにこたえる豆腐作りをしなければと、身が引き締まりました。交流を通して          一緒に学んでいきたい 豆腐は素材も作り方もシンプルなので、ちょっとした作業がその出来のよしあしを左右します。我が社では、豊富な経験を持った職人たちがその時々の状況に応じて、大豆の浸水時間、にがりの量や攪拌の力加減などを見極め、きめ細かな作業調整によってその美味しさ、品質を守り続けています。 『さがっこ充填とうふ』は、毎日食べ続けられる、美味しい豆腐です。温泉湯豆腐や濃い味の豆腐も、インパクトがあり、もちろん美味しいですが、毎日食べ続けるにはなかなか難しいと思います。薬味にごまかされず、そのままでも美味しいのに、毎日飽きずに食べられるのが『さがっこ充填とうふ』なのです。 私たちは、今できる最善、最高の豆腐作りで、『さがっこ充填とうふ』を提供していきますので、組合員の皆様には、ぜひご利用いただき、いろんなご意見を聞かせてください。そして、組合員さんや地域との交流を通して、私たちも一緒にいろんなことを学ばせてください。組合員のみなさんに愛される豆腐作りを目指して

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